フィロソフィーのダンス「あの2曲が同時に私たちのもとにやってきたのは、運命的な何かを感じているぐらい」[Special Interview]

  • WRITTEN BY 中村梢・山末あつみ・VDC編集部
  • PHOTOGRAPHY BY 周二郎
(写真左から)十束おとは / 日向ハル / 奥津マリリ / 佐藤まりあ

アイドルの枠に収まらないジャンルを超えた楽曲と個性的なキャラクターで、 世代・性別を超えて熱い支持を得ている『フィロソフィーのダンス』。昨年は有名フェスへの参加、地上波での冠番組の開始をはじめ、個人としても活躍の場を広げた年となった。そんな彼女たちに、活動して一年目の関係性やこの五年間でのターニングポイントについて聞いた。


フィロソフィーのダンスのインタビューを『VDC Magazine 015』に掲載
2020年グループ結成5周年を迎え、メジャーデビューを控える彼女たちに、昨年を振り返ってもらいつつ、それぞれの展望について聞いたインタビューの続きは、フリーマガジン『VDC Magazine 015』に掲載。[詳細はこちら]
そしてVDCで撮影した『フィロソフィーのダンス』のプリント写真などの販売を予定しております。詳しい情報はVDCのTwitterでお知らせいたします。


――自己紹介とマイブームを教えてください。
奥津 奥津マリリです。マイブームは『NARUTO』で、アニメを1話から観始めました。完結してから見たいタイプなんですが、以前漫画を読んだ頃に完結していなかったから、続きが気になってもぞもぞしていたんです。完結もしたし、また最初からちゃんと全部を通して観ようと思って。

――好きなキャラクターはいるんですか?
奥津 あんまりこのキャラがっていうのはいないんですけど、やっぱりナルトかな。一番カッコいいし、応援したくなるし、アイドル的だなあと思います。

――というのは?
奥津 「絶対、火影になる!」っていうのが、アイドルでいうと、「絶対、武道館に行く!」みたいな(笑)。言葉にしていることを叶えるために修行するっていう姿を見ていると、応援したくなります。

佐藤 佐藤まりあです。最近のマイブームは『鬼滅の刃』と、豆乳ドリンクを飲むことです。おうちでは麦芽コーヒー味をよく飲んでます。種類がすごく豊富で、かき氷味や紅茶、焼き芋味もあるし、結構飽きないです。

――豆乳は美容のために?
佐藤 そうですね。バストアップとか(笑)。理想の自分を追求するために飲んでいます。

日向 日向ハルです。マイブームは食パンにマヨネーズと卵をかけて食べることです。今日は失敗して、お皿の上に卵をぶちまけてしまいました(笑)。あとはNetflixです。『テラスハウス』をよく見ています。

十束 十束おとはです。マイブームは、昔買えなかったギャルゲーを買って、プレイすることです。この前買ったのは、ストーリーがしっかりしていて、鬱展開のある内容なのでプレイするたびに気持ちがずうんって沈んでいます(笑)。当時、プレミアがついていて買えるほどの財力がなかったのですが、大人になって、買えるようになりました。

十束おとは

――まず素朴な疑問なんですが、皆さんのワンマンライブを観ていると、みんな緊張しないのかなって思うんです。
奥津 素朴な疑問だ(笑)。

――去年の新木場スタジオコーストでのワンマンライブの時に強く感じたんですが、全然緊張されていないように観ていて思うんですね。
佐藤 規模が大きすぎると、逆に気持ちが吹っきれちゃうんですよね。そこまでに準備してきた時間が長いので、私は早くやりたいって感じでした。早く観てほしい!っていう(笑)。

――なるほど。皆さん全員?
十束 先日、4人で新木場スタジオコーストの舞台監督をしてくださった方とお会いする機会があったんですけど、「スタートする1分前に個性が出てる」って言われました。マリリは本番前、ずっと動き回ってたんだよね。
奥津 そう(笑)。私は直前までずっとバタバタしているんです。幕が上がるとか、自分が動き出す直前に、「ふう」って一呼吸するんですけど、それ以外のやり方だと逆に緊張しちゃうんです。それが自分のルーティーンでもあるんですけど。逆に、その一呼吸をしてから、バタバタしちゃうと、落ち着かなくなっちゃう。自分の中に、「すっ、すっ、はい」って、入っていくタイミングがあるんです。それまでは基本的に走り回ったり、「ちょっと触らして」って手を握ったり、「ねえ、何してんの?」、「どうしたの?どうしたの?」とか、あんちゃん(佐藤)に話しかけて、うっとおしがられたりしています(笑)。
佐藤 そう。「まだ位置につかないのかな?」って思っていました(笑)。でも、その様子を見て、逆にエモまったというか。こんなにそわそわしてるけど、リーダーとしてここまで引っ張ってくれたんだなと思って、マリリの顔を見てウルっとしたんですけど、全然落ち着かないから、いい加減にしてほしい、まだかな?って(笑)。
一同 (笑)。
奥津 いい話だったのに(笑)。
佐藤 めっちゃぎりぎりだったよね。SEが大きくなり始めてから、そこでやっと「ふう」みたいな。
奥津 そう、やっと一呼吸いれました。この間は、緊張が高まりすぎて自分たちの楽屋だけじゃ収まりきらなくて、本番10分前ぐらいに、バンドのメンバーさんの楽屋に行って、本番前の支度をされているのに、「1曲目はこういう気持ちでやります!2曲目はこういう気持ちでやるので、皆さんはこういう顔してください!頑張りましょうね!」って言いに行ったりしていました(笑)。いつも4人で、「ここではこうしよう」みたいな意思統一をするんですけど、それをバンドメンバーさんにも言いたくなっちゃったんです。ステージ上がる前もずっとバタバタしていて、私はすごく緊張するタイプです。

奥津マリリ

――一番緊張しなさそうだったので、意外です。
奥津 本当ですか(笑)。
佐藤 切り替えは本当にすごいと思う。
十束 私は舞台監督さんに「一番、肝が据わっていて構えてた」って言われたんですけど、その意識がなくて(笑)。私、入りこんだら結構ずっとそのモードでいられるんです。周りの景色も、走馬灯みたいな感じで流れていて、誰も話しかけないでほしいみたいな。そういうモードが結構持続するタイプなので、ライブ中に一回、泣きのスイッチが入ったら、もう止められなくなっちゃうんですけど(笑)。本番前もずっと集中して、スンって感じでいました。ゾーンに入るっていうのかな。昔読んでいた漫画の『テニスの王子様』に教育されたおかげか、“無我の境地”に入っちゃって(笑)。そのモードが普通みたいな、自分なりのやり方を見つけました。『テニスの王子様』のおかげ(笑)。

――日向さんは、舞台監督さんからなんて?
日向  「ハルちゃんは何も考えてないよね」って、オチとして使われました(笑)。

――(笑)。緊張はしない?
日向 幕が開くまでは緊張しています。私はどちらかといえば、本番前しゃべりたくないタイプです。ぎりぎりまで一人でいたい。あと緊張している日は、メンバーに、めちゃめちゃ強く背中をたたいてもらいます。
奥津 除霊かっていうぐらい、もうバンバン!
日向 無言でめっちゃずっと耐えています(笑)。でもやっぱり本番に向けて、かなり練習していて、通して何回もやっているので、それは自信につながっていると思います。不安要素がなくステージに立てるぐらい何度も練習するので。
奥津 でもやっぱり昔のワンマンライブは、こんな感じではなかったですけどね。今のほうが断然自信もあるし、何を準備したら自分たちが安心できるかとか、ここが不安だから嫌だっていうことが、これまでの経験だったり、前のライブを振り返ったりして、わかってきました。なので、新木場スタジオコーストは心配や不安要素もなく、ただ楽しみっていう気持ちだけでした。

――次に、グループを結成して一年目のことをお聞きしたいです。それぞれ違う環境から集まって、どうやって今のようないい関係性になっていったのでしょうか。
奥津 一年目、仲が悪かったことは一瞬もなかったんですけど、でも探り探りな感じはあったかなと思います。やっぱり今まで生きてきた環境はそれぞれ違うし、お互い初めて会うようなタイプだったので、考え方も含めて、4人ともバラバラだったから。でもその違いを否定することはなく、「そうなんだ」ってお互い理解しあっていたような気がします。
佐藤 私は人見知りっていうこともあって、今よりは気を遣う部分もあったんですけど、女子特有のぎすぎすした感じをこの3人からあんまり感じたりしなかったです。多分この人たちとだったら仲よくやってけるんじゃないかなっていうのは、最初から思っていました。
日向 当時はもちろん探り探りだったし、今より気を遣っていたっていうのはあるんですけど、マリリも言ってたように、仲が悪かった時期は一瞬もなかったですね。大人になってから集まったメンバーなので、共感ができなくても否定することもなく、「あなたはそういうのが好きなんだね」、「いいんじゃない?」、「それ素敵じゃん」ってそれぞれを尊重するスタンスというか。そういうふうに、この5年間やってきて、さらに仲が深まったのが今だと思っています。
十束 1年目の記憶が本当にないんですよね(笑)。それぐらい必死でした。その当時、これといってメンバー同士の仲がよくなるきっかけみたいなのはなかったんですけど、それを必要としないぐらい一緒にいたし、日常の中にメンバーが溶け込んでいました。大げんかもなくて、本当にみんなで日常を過ごすうちに仲よくなっていったんだと思います。私には、仕事仲間だからそこまで仲よくならなくてもいいっていう持論があるんですけど、そういう考えを持っていても、シンプルにこの4人はめちゃめちゃ仲いいなって思っています。仕事仲間に恵まれたなって。
日向 もちろん意見の交換はするし、意見がわれることはあるんですけど。でも一般的に言われるケンカとか、「こういうとこ嫌い!」ってなったことはないよね。
十束 ないね。
佐藤 絆を深めるために何かしようとかもなくて、本当にナチュラルでしたね。家族みたいな感じで、しゃべらない時間もあれば、気になるから話す時間もあるしみたいな。
日向 誰も、自分とは考え方が違うことを否定しようと思わなかったし、無理にわかろうともしてないから、それがいい距離感なのかな。あと、それぞれ一人の時間が好きなので、空き時間は基本的に一緒にいるけど、誰かがどこかに一人で行くことも全然OKだし、わりと自由なのがいい関係性の理由だと思っています。

日向ハル

――たしかに。プロデューサーの加茂さんも含めて、みなさん自由ですよね。
十束 一番自由なのは加茂さんなので(笑)。
日向 正解。(笑)。
奥津 プロデューサーが加茂さんだからなのかわからないけど、グループのことに関して、「こうしたいよね」、「もっとこうしていこう」って4人で話す機会も多いんです。単に「今日のライブ頑張ろう」だけでなく、自分たちでこのグループをつくっていくんだっていう意識の中で、意見交換をたくさんしてきたので、仲が深まった理由にはそういうこともあるかなと思います。たくさん話してきたよね。

――話し合いは、誰がまとめるとか役割があるんですか?
奥津 「さて話し合おう」みたいなかしこまった感じでは全然なくて、普段「今日は絶対ぶち上げな感じだよね」とか、「今日はカッコいい感じでいこう」ってセットリストについて話をすることが多いですね。
日向 セットリストも自分たちで決めるので、毎回ライブ前に、セットリストの緩急について話したりとか。規模の大きなワンマンライブは、ちゃんとした話し合いじゃないですけど、このブロックはこういう気持ちでいこうって、前々から決めています。
奥津 みんなで、どういうふうにしたいか話して、ライブをつくっています。

――続いて、活動して5年目になりますが、その中でのターニングポイントや意識が変わったきっかけについて教えてほしいです。
奥津 私は恵比寿リキッドルームで初のバンドセットワンマンライブを開催したことです。それは自分の中ですごく大きな出来事で、以前していたバンド活動と、今やっているアイドル活動がリンクした瞬間だったんです。バンドサウンドの生音でテンションが上がる感じも、「この感覚、久々!」って、あの時の魂がよみがえってくるみたいな(笑)。今振り返ると、バンドセットのワンマンライブってすごくプレッシャーがあったんですよね。開催のためにクラウドファンディングもしたし、バックバンドの方も、プロの名だたるすごい方が集まってくださって。そのプレッシャーの中で自分たちはどうやって見せていくかっていうことが大きな課題だったんです。今まで自分たちだけでやっていたので、あまり感じられなかった、人と一緒にステージをつくることの難しさや大変さを、実感したライブでした。個人としても、グループとしても、すごく大事なライブだったと思います。
佐藤 自分の意識が変わったなって思ったのは、『Singularity』っていう私たち主催の対バンライブが始まったことですね。『Singularity』は異種格闘戦と言いますか、普段ご一緒しないようなジャンルのアーティストさんやバンドさんと一緒に対バンする企画です。そこでSCOOBIE DOさんとツーマンライブをやったことが、自分にとっても、グループにとっても大きく意識が変わった瞬間なのかなと思っています。そのライブで、あらかじめ決められた以上のものを見せないといけないライブ感だったり、お客さんに対する気持ちをステージで発信するっていう力を学ばせてもらいました。私は今までの人生で、こうなりたいって思うような憧れの人はいなかったんですけど、SCOOBIEさんとライブした時に、初めて“この人たちみたいなカッコいいライブをフィロソフィーのダンスでもしたい”って思うようになりました。単純にファンになってしまったっていうのもあるんですけど(笑)。こういう対バン企画ができるのは私たちのグループの強みだなと思うし、強い敵と戦うことで、自分たちも強くなれるっていうか。自分たちの足りないところもいっぱい見えてくるので、すごく成長させてもらっているライブイベントだなと感じています。

佐藤まりあ

日向 私は正直これが大きなターニングポイントだっていうのはなくて、毎回ちょっとずつ着実に自分の中で成長している感じがあります。いつも目の前のことを必死で乗り越えていくっていうくり返しです。でも自分の中で一番最高の思い出として残っているのは、新木場スタジオコーストでのワンマンライブです。今までの最高を更新できたっていう自分への自信が芽生えて、“日向ハルとしてどうありたいか”みたいなことが、ちょっと見えたライブだったのかなって振り返って思います。あと個人的には、最近だと中村佳穂さんのライブが一番感動したことです。そのライブを観た時って、毎日に刺激がなくて……。そんな時に観た中村さんのライブが素晴らしくて、歌で感動するってこういうことなんだって実感しました。中村さんのライブは定期的に観に行ってるんですけど、毎回感動するし、私も頑張ろうって思えます。
十束 私は、『イッツ・マイ・ターン』と『ライブ・ライフ』の2曲がきた時です。その2曲で、わりとみんなが変わったのかなって思っています。それまでは、曲にこめられているメッセージをフロアにぶつけるっていうことが、私も含めてあんまり積極的にできていなかったかなと感じていて。今振り返ると、『ダンス・ファウンダー』をリリースした時も、メッセージ性のある歌詞に対して、私たちのパワーがちょっと足りなかったかなと思うんです。『イッツ・マイ・ターン』と『ライブ・ライフ』の2曲はどちらにも強いメッセージがあって、『イッツ・マイ・ターン』は「私たちのターンだ!」みたいな気持ちがないと歌えないし、『ライブ・ライフ』はパッションがないと届けられません。でも、恵比寿リキッドルームで開催したバンドセットライブや、毎日リリースイベントをやっていた夏の思い出とか、そういうものが全部積み重なって、だんだんと想いを届られるようになってきたと思います。あの2曲が同時に私たちのもとにやってきたのは、運命的な何かを感じているぐらい。今でもめちゃめちゃライブでもやるし、その2曲にはすごく感謝しています。

(インタビュー後半は、VDC Magazine 015につづく)


フィロソフィーのダンスのインタビューを『VDC Magazine 015』に掲載
2020年グループ結成 5 周年を迎え、メジャーデビューを控える彼女たちに、昨年を振り返ってもらいつつ、それぞれの展望について聞いたインタビューの続きは、フリーマガジン『VDC Magazine 015』に掲載。[詳細はこちら]
そしてVDCで撮影した『フィロソフィーのダンス』のプリント写真などの販売を予定しております。詳しい情報はVDCのTwitterでお知らせいたします。


■フィロソフィーのダンス Information

■RELEASE
リミックス・アルバム『SAPIOSEXUAL』発売中

ヴァイナル(レコード) UXCL-238 ¥3,700(税抜)
CD UXCL-237 ¥3,000(税抜)
カセット UXCL-236 ¥2,500(税抜)
3形態で発売

1st オフィシャルブック『 U Got The Look 』発売中

■フィロソフィーのダンス OFFICIAL SITE
https://danceforphilosophy.com/

■フィロソフィーのダンス OFFICIAL TWITTER
@DFP_2015

755