lyrical school「目指しているアーティストって誰?って聞かれたら、「lyrical schoolです!」って答えられる」[Special Interview 前編]

  • WRITTEN BY 山末あつみ・VDC編集部
  • PHOTOGRAPHY BY 周二郎
(写真後列)risano/hime/yuu
(写真前列)hinako/minan

Girl’sRapのパイオニアグループ『lyrical school』。略称リリスク。昨年ビクターエンタテインメントのコネクトーン・レーベルへメジャー移籍し、活動の幅をさらに広げている彼女たちがグループ初となるEP『OK!!!!!』をリリース。随所に彼女たちの挑戦や成長を感じることができ、‟今”のリリスクを表しているような一枚となっている。進化し続ける彼女たちに、そのEP『OK!!!!!』の聴きどころ、印象などについてロングインタビュー。


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lyrical school
略称“リリスク”。キング・オブ・アイドル・ラップを目指し、邁進するメンバーは、yuuminanhimehinakorisanoの5人。2019年5月18日にビクターのコネクトーン・レーベルへの移籍を電撃発表、6月26日には移籍後初の配信シングル『LAST DANCE』をリリース。 9月11日には移籍第一弾アルバム『BE KIND REWIND』を発表、その後、成功裏に幕を閉じた全国ツアーを経て、『BE KIND REWIND~Expanded Edition』をリリース、それと同時に2020年の活動が本格的にスタートを切った。


――自己紹介とマイブームを教えてください。

risano オレンジ担当のrisanoです。マイブームはマネージャーに教えてもらった、“サクふわっカリッの納豆卵かけオムレツ”をつくることです。ハマりすぎてマジで毎日作ってる(笑)。今日も食べました。

――Twitter[リンク]で紹介されていた料理ですよね?

risano そうです!本当に簡単で美味しいです。
hinako 赤担当のhinakoです。マイブームは、どうぶつの森です。大好きなディズニーランドとシーが休園していて行けないので、どうぶつの森をしています。
hime 緑担当のhimeです。マイブームは、YouTubeにラップバトルの神パンチラインを集めた動画があるんですけど、その中でも音声だけのバース集をひたすら観ています。
yuu 青担当のyuuです。マイブームはいろいろあるんですけど、最近はギターです。頑張って練習しています。
minan 紫担当のminanです。マイブームはアボカドディップを作ることです。すごくおいしいので、そればっかり作っています(笑)。
risano 食べたい!

――4月22日にEP『OK!!!!!!!!!!!』がリリースされました。まず1曲目に収録されている『OK!』の紹介をお願いします。

risano “OK!”という言葉の持つ意味そのままなんですけど、“やりたいことやって好きに生きよう!一度きりの自分の人生なんだから自分が一番楽しんでいいんじゃない?”っていうメッセージがこめられた、聴いている人に元気を与えられるポジティブな曲だと思います。
hime “Evrything is OK!”だよね。

――ありがとうございます。もともと『OK!』は、昨年11月の全国ツアーで初披露された曲でした。その頃に比べて、どんどんブラシュアップされていき、『OK!』とともにリリスクが成長している印象があります。『OK!』をつくりあげていった過程を教えて頂きたいのですが、まずこの曲の第一印象はいかがでしたか?

hinako 『OK!』を制作してくださっているのが、今までにも何度も曲を作っていただいてる作家さんたちで、私たちのことをよく知っているということもあって、まず歌詞がすごくしっくりくる感じて、曲もノリやすい印象を受けました。でも最初に披露した頃は、曲の盛り上がりに合わせて、私たちも盛り上がっていくというか、曲に引っ張っていってもらう感じだったんですね。だから、ぶっちゃっけ、どうお客さんを盛り上げればいいのかがわからなくて、曲負けしている自分もいて……。でもライブを重ねるごとに、自分たちが盛り上げるからこそ曲も、お客さんも盛り上げられる。そんな曲だなって解釈が変わっていきました。

――その解釈が変わったきっかけは何かあったんですか?

hinako プロデューサーのキムさんのアドバイスですね。私は基本的にゆっくりと横でリズムをとってしまう癖があったので、キムさんがリハーサルやレコーディングの時に、「hinako、ジャンプして!」、「縦で音とって!」って目の前で動いて教えてくれたんです。それだけじゃなくて、作詞してくださったALI-KICKさんとお話した時に、“歌ってない暇なんてななななななない!”っていう私のバースがあるんですけど、その“ななななななない!”を「もうちょっと力強く言って、そこから盛り上げて欲しい」っていうアドバイスをいただきました。そうやって、お二人のアドバイスをもとにつくりこんでいきました。

――ありがとうございます。皆さんはいかがですか?

hime 初披露が全国ツアーの福岡公演だったんですけど、初披露なのでファンの皆さんはもちろん『OK!』を知らないじゃないですか。それなのにすごく盛り上がったんですよ。それは福岡の皆さんが温かいからっていうのももちろんあるんですけど、この曲のおかげだなと思っていて。こんなに盛り上がる曲なんだから、福岡だけじゃなくて、どこでやっても刺さる曲だなと、福岡の皆さんの反応を見て気合が入りました。私はこの曲で、最初と最後のバースを担当しているんですけど、最初の部分は仮で歌った時に言葉に詰まったりして、すごく難しかったです。そして、一番最後にロングバースがくるのでプレッシャーがやばくて。でも、レコーディングで自分が言いづらかったところを何回も練習していくうちに、「あ、ここでこうラップすればいいのか!」って正解が見つかって、それ以降のライブは余裕になりました。
risano 私はライブで披露したり、レコーディングもして、たくさん歌っていくにつれて、『OK!』はすごく最強な曲なんだって実感することができました。今では、もう曲に感情がハンパなく入っていて、初披露した当時ももちろん100%出し切ってやっていたんですけど、そこと比べたら今では1000%になっているなって感じています。
yuu 『OK!』を最初に聴いた時は、「マジで難しいな」って思って、どうにかしてやって行こうって必死でした。今思い返すと、初披露した福岡公演は、「間違えたらどうしよう」ってガチガチになっていましたね。でも、ちょうどツアーファイナルの前のリハーサルのタイミングでALI-KICKさんからアドバイスをいただいたり、himeが「ALI-KICK さんはここで落としてるから、こういうふうにしたらやりやすいんじゃない?」って教えてくれたこともあって、自分の中に落とし込んだら結構スって入っていけた感覚がありました。あとは、私のバースに“What a lovely day!!!!!”っていう映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に出てくるセリフがあるんですけど、実際の映画の音声を聞いて、どうやったらそれを再現できるかって練習していくうちに、もっとこの曲が好きになったし、披露することがすごくわくわくして、曲に対する気持ちが自然と軽くなっていきました。やっていくうちにどんどん楽しくなっていったっていうことが、私の中で一番大きかったですね。
minan 今どうだったかな?ってずっと思い出していたんですけど、本当に慣れしかないのかなと。最初は、“歌詞を間違えないように”、“ここでしっかりはめなきゃ”みたいな想いがあったんですけど、披露する回数を重ねるにつれて、“ちょっと自分らしくやってみよう”、“ここはちょっと崩してやろう”って思えるようになって、いい意味で慣れてきたのかなと思います。あとはやっぱりレコーディングをしたことがすごく大きかったですね。レコーディングをすることで、感覚じゃなくて脳でしっかりと理解できるので、そこで自分たちの中でバシッとハマったのかなって思います。

――では、初披露の時期と今を比べて『OK!』は全然違うものになっている?

minan そうですね。それに今の状況も相まって、この曲のもつ意味や力がさらに何重にもなっているなと思います。

――たしかに。新型感染症コロナウィルスで不安な日々が続く中で、この曲を聴いていると、前向きな気持ちになれたり、すごく元気がもらえます。

yuuhime わかります!
hinako めっちゃ元気もらえるよね。
risano うん。歌っている本人も元気もらってる(笑)

――『OK!』はMVも公開になっていますね。


risano 私は今回のMVを見て、わかったことがあるんです。今までインタビューとかで、「どんなアーティストになりたいですか?」って聞かれた時に、私はずっと歌って踊れるアーティストになりたかったので「SPEEDさん」って答えていました。正直、私の中でSPEEDさんを超えるぐらい目指したいアーティストや目標となる人がいなかったっていうのもあったんです。でも、今回『OK!』のMVを観て、「これだ!」と思いました。「目指しているアーティストって誰?」って聞かれたら、「lyrical schoolです!」って答えられるって。自分にとって、なりたいグループがリリスクで、しかもそこに自分がいるんだっていうことにMVを観て気づいて、すごく感動しました。MVを観ると、いい意味でアイドルっていう感じはしないじゃないですか。でも、アーティストみたいにバリバリ踊ったりもしていない。メンバーそれぞれがすごく自由にしているんだけど、クルー感がある。そこに私は感動して、「なりたいアーティストはlyrical schoolです」って思いました。これ、メンバーにも話したことなかったの(笑)。
yuu 私、ちょっと感動しちゃった。泣きそう。

――たしかに。メンバーそれぞれのキャラクターだけじゃなく、グループとしてのまとまりもあって、それがすごく自然に表れていますよね。続いて、2曲目『HOMETENOBIRU』。この曲を制作しているのは、女性ラッパーのvalkneeさんです。

hime リリスクが10年ちょっと活動してきた中で、女性ラッパーに曲を書いてもらったことは今回が初めてなんです。すごく難しくて、私たちも初めての試みというか挑戦をしたような曲でした。おかげで、本当に新しいウチらの一面が出たかなと思っています。
risano そうだね。でも難しかったです。もちろん、自分の中でいいものを出せたとは思っているんですけど、正直、何が正解かわからなくて。
hinako 探ったよね。
risano 探ったし、「これでいいのか?」って思っていました。普段のレコーディングでは、自分が歌い終わったテイクを聞かせてもらって、「あ、OKです!十分満足いってます」ってなるんですけど、この曲に関しては、「これでいいのかな?」ってレコーディング中ずっと正解がわからなくて。それに、今はまだ、OKテイクになった歌唱方法がライブでも同じようにできるのか?っていう心配もあります。なので音源をしっかりと聴いて、ライブで表現できるように毎日練習しています。
minan 逆に、私は「こういう歌い方してみたいな」って思っていたことをレコーディングでできたので、すごく楽しかったですね。私は“HOMETENOBIRUタイプ”じゃないので、この曲を聴いて、自分のことを歌ってる!とは思っていないんですけど、全アイドルからオタクへのメッセージソングみたいに捉えて歌いました。オタクはアイドルを褒めるだけでいいんだよっていう(笑)。そういう気持ちで歌いました。

――3曲目『Last Summer』は、昨年の9月マイナビBLITZ赤坂で初披露されていて、聴いた時に難しい曲だなと思いました(笑)。

一同 (笑)。
hinako そうなんですよ!
risano 今回は全部難しいんです(笑)。

――レコーディングしてみてどうでしたか?

hinako 私は今までで一番苦戦しましたね。歌い方もノリ方も難しくて。初披露した時にお客さんの反応を見て、どうノッたらいいのかわからないっていう雰囲気を感じたんです。でも、だからこそ回数を重ねたら、もっとよくなると思っていました。……ぶっちゃけ、今回このEPに収録されるって聞いた時は「マジか。え、ほんと?!入れちゃう?出しちゃうの?!」って思ったくらい仕上がるか不安だったんです(笑)。ライブで一回やったことがあるのに、レコーディングの中で一番自信がなかったんですよ。でも、自分のバースを録音して聴くというのをくり返して当日挑んだら、思ったよりも自分の中にすんなり入っていったので、『Last Summer』って聴けば聴くほど味が出る曲なのかなと思いました。レコーディングがうまくいったので、ライブでもしっかりできるようにしたいですね。レコーディングをしてからは、まだ皆さんにお披露目していないので、ライブでやったら、どんなふうになっていくのか、楽しみな曲でもありますね。

――歌詞を書かれているのは木村好郎さんですが、この曲の歌詞に書いてある言葉自体はシンプルですが、この世界観に深く入って描かれている情景を感じるような歌詞ですよね。

risano 『消える惑星』の時もそうだったんですけど、私にとって木村好郎さんの歌詞って思い描くことがすごく難しいんです。でも『Last Summer』に関しては、野球のルールはもともと知らないので聞かないとわからなかったけど、それ以外は情景が浮かぶくらいシンプルだったので、そういうことは初めてでした。

――yuuさんはいかがでしたか?

yuu 私も、この曲に対しての苦手意識がすごく強くて。正直、初披露した時から自分の中でしっくりこなかったんですよ。「私、歌いこなせてない」って思っていて。レコーディングも不安だったし、一つの曲の中で、こっちのバースは得意なのに、こっちは上手くいかないっていう部分もあって、悔しかったですね。すごく苦戦したんですけど、絶対にいい曲にしたいので何度も挑んで、最終的にはみんなの力ですごくいいものになりました。レコーディングして完成したものを聴いた時に「すごくいい曲だな」ってしみじみ感じたっていうか。そこからは、苦手な曲というイメージじゃなくて、自分の中でちゃんと愛のこもったものになって、成長もできたのかなって思いました。

――では4曲目『Dance The Night Away feat. Kick a Show』。Kick a Showさんがフィーチャリングで参加されていて、作詞もされていますね。himeさんいかがでしたか?

hime Kick a Showさんのことがずっと好きだったので、フィーチャリングって形が本当に嬉しいです。自分たちの声だけじゃなくてKick a Showさんも歌ってくださっている特別な一曲になりました。それに、今回のEPの中だったら、一番シーンを選ばずに聴けるのかなと思うので、いつでもどこでも誰にでも聴いてもらいたい曲です。
minan 私は、年相応で歌えるのでやりやすかったですね。あと、誰が聴いても“気持ちいい”って思える曲なので、この曲こそたくさんの人に届いたらいいなと思います。

――ありがとうございます。minanさんとhinakoさんという組み合わせのユニゾンは新鮮で、聴いていて心地よかったです。

hinakominan やったー!
一同 (笑)。
risano たしかに。今まではyuuとminanちゃんが一緒に歌うことが多かったりしたけど、今回のEPは今までなかったような組み合わせで歌っていたりするので、そういう部分も挑戦だし、新しい魅力の一つかなと思います。

――レコーディングにもKick a Showさんが立ち会ってくださったんですよね。

hime はい。レコーディングだけでも超緊張して、震えが止まりませんでした。
hinako hime、すごく緊張してたイメージある(笑)。
hime 手が震えるので、自分の手で手を抑えていたくらい。エンジニアさんに「緊張してる?」って聞かれたので、「あ、大丈夫です」と答えたんですけど、内心では「あったりまえだろ!」って思っていました(笑)。
一同 (笑)。

――そんなに緊張したのは初めて?

risano ジメサギ(Jinmenusagi ※lyrical school『大人になっても』の制作者)さんの時は?
hime ジメサギさんもヤバかった。あの時は緊張しすぎて、ちょっと涙が溜まっていました。……Kick a Showさんのディレクションは、「自由にやって良いよ!」って感じで、すごく優しかったです。
yuu 優しかった、本当に。
risano 常に笑顔だった印象ですね。
hime あと、Kick a Showさんがレコーディングの時に、「書いている段階で、“この子がラップしたらこうだろうな”、“この子っぽいな”っていうことを考えながら書いた」っておっしゃってくださって。歌詞のそれぞれっぽいところを選んで、後から割り振ったんじゃなくて、“書いている段階で私たちのことを思い浮かべて書いてくれたんだ!”ってすごく感動しました。

(後編へつづく)


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■lyrical school INFORMATION

■RELEASE
EP『OK!!!!!』発売中

VICL-65367 ¥1,818(税抜)

■LIVE
『lyrical school SHORT TOUR 2020 “OK!!!!!”』
・大阪公演
2020年5月17(日) 15:00開場 / 15:30開演
【会場】大阪ANIMA(大阪)
【出演】lyrical school 他

・名古屋公演
2020年5月23(土) 16:00開場 / 16:30開演
【会場】伏見ライオンシアター(愛知)
【出演】lyrical school 他

・東京公演
2020年5月30(土) 15:00開場 / 15:30開演
【会場】代官山UNIT(東京)
【出演】lyrical school 他

■OFFICIAL SITE
http://lyricalschool.com/

■OFFICIAL TWITTER
@lyri_sch

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