ぺいにゃむにゃむ/ミキティー本物
“ゲイでもアイドルになれる”をコンセプトに活動するゲイアイドル『二丁目の魁カミングアウト』。略称『二丁魁(にちょがけ)』。メンバーの卒業、コロナ禍でのライブ中止などを経験した彼ら。しかし諦めることなく、約4か月の間ミキティー本物とぺいにゃむにゃむの2名で活動を続けてきた。そして先日、新メンバーの筆村栄心(ふでむらえいしん)と日が紅(ひがくれない)が加入し、新体制での大きな一歩を踏み出した。そんなミキティー本物とぺいにゃむにゃむにロングインタビューを敢行。前後編でたっぷりお届けする。
後編では、新曲『今も尚』と『パラレルヤワールド』について、そして“ジジババ期”と称される二人で活動してきた約4か月間であらためて気づいたことなどを聞いた。
前編はこちら
二丁目の魁カミングアウト(ミキティー本物/ぺいにゃむにゃむ)「私とぺいちゃんで守ろうって思えるような、二人にめぐり会えた」[Special Interview 前編]
https://wp.vdc.tokyo/article/9455
二丁目の魁カミングアウト
「ゲイだから」を理由に諦めたくない気持ちから、“ゲイでもアイドルになれる”をコンセプトに活動しているゲイアイドル。グループ名には、新宿二丁目から先駆けて“ゲイアイドル”というジャンルをカミングアウト(公言)していきたいという思いが込められている。
――10月20日と21日に新曲『今も尚』と『パラレルヤワールド』のソロバージョンを公開されました。このタイミングで新曲を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
ミキティー本物(以下、ミキ) 二丁目の魁カミングアウトの曲は、二丁ハロ(二丁目の魁カミングアウトに改名する前のグループ名)時代も含めて30曲は4人(2019年12月までのミキティー本物、ぺいにゃむにゃむ、きまるモッコリ、白鳥白鳥の4人体制)のもの。そして、『GAY STAR』は3人での曲(2020年6月に卒業を発表した白鳥白鳥を含めた3人)、『He is me, too』は私たち2人での曲という感じだったので、例えばライブをやりますってなった時に、これまでにリリースしたアルバム『Good As Yesterday❹』までの曲で構成すると、どの曲を歌っても、昔を思い出して比べてしまう人が多くなると思ったんです。だから新曲は絶対的に必要だなと考えました。
――では、この二曲の初公開をソロバージョンにしたのはなぜでしょうか?
ミキ ソロバージョンで歌った時と、新メンバーを含めた4人で歌った時の変化を見てもらいたいと思ったからです。最初は、『今も尚』も『パラレルヤワールド』もライブで初披露しようと思っていたんだけど、歌詞を書き進めていくうちに、ちょっと違うかなと思ったんですよね。
特に、『パラレルヤワールド』は新メンバーを入れてから初披露しようと思って書いていたんですが、やっぱりはくちゃん(白鳥白鳥)が辞めて、私とぺいちゃんの2人になって、それでもアイドルを続けようっていうことを決心して、新メンバーオーディションを開催して、筆村栄心と日が紅っていうすてきな2人に出会ったからこそ完成したっていう流れがあったので、初披露をいきなり4人で、ってすると、私のなかで違う曲になっちゃったんです。そういうことがあって、2人で歌おうかってなったんだけど、1人で歌う曲の強さと4人で歌う強さっていう変化を見せたかったというか。1人と4人ではいい意味でも悪い意味でもこういう違いがあるんだって。それを私も感じたかったし、観ている人、聴いてる人にもそういったことを感じてほしかったんですよね。
それと、『今も尚』は、もともとは私の生誕祭のライブで歌う予定だったんです。1年以上前からずっと作っていたんですけど、後半は今と全然違う歌詞だったんですよ。生誕の直前に書き上げた歌詞は、もうちょっとつらい系だった。でも生誕で歌えなくて(新型コロナウィルス感染症の影響を受け、中止となった)、ただ最終的には二丁魁で歌う曲だったから、最後の歌詞を「絶望に勝るような希望も作れるらしいんだ」って書き直したんです。そこも、2人(筆村栄心と日が紅)との出会いのこと、もうそのままだよね。そういうこともあるのかなって、また信じてみたくなった自分がいたので、そう直しました。
ぺいにゃむにゃむ(以下、ぺい) そうだね。
ミキ あと、11月11日に新メンバーお披露目のライブを配信でやることが決まっていたので、そのなかにおなカマ(二丁目の魁カミングアウトのファンの総称)が聴いたことのない新曲を入れたくなかったっていうのもあるかも。もし、それが配信じゃなくて生で見てもらえるんだったら、「今日が初披露です!」って新曲をいきなりやるのはいいんだけど、まだ生で会えてないのに、新しいメンバーと新曲をやることで、おなカマが少し置いてかれる気持ちになっちゃうんじゃないかなって思ったのも大きいよね。
ぺい こういうご時世ということもあり、そこで距離を感じられちゃうのはやっぱり私たちも嫌だし、きっとおなカマも嫌だろうし、というのはありましたね。
――それぞれ詳しくお話を聞かせてください。まず『今も尚』について、お願いします。
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今も尚 [ミキティー本物 ソロバージョン] / 二丁目の魁カミングアウト
ミキ 今までにないくらい、さらけ出して書いた曲です。1年以上前から書いていたのに、ずっと完成できなくて。書いていてつらかったり、苦しいなと思う部分をそのまま文字にしたので、こんなこと歌って平気なのかなとも思いました。でも人間って見えない部分で、いろんなことを抱えているものでしょう?私は私自身のそういった部分を書いたつもりで、“今の私はこうです”って告白するような歌詞になっていますね。だから、もしかしたら全然共感できない人もいるかもしれない。でも等身大の私を本当に残しておきたくて書きました。
ミキティー本物
――ミキさんが書く歌詞は優しくて素直でストレートな想いが詰っていて、そこを書けることはすごいと思っています。反面、苦しくなりすぎたりしてはいないでしょうか。
ミキ 私のなかで、歌詞にする行為は隠していたものを出す、なので、すごくすっきりするんです。だから今回に関しても消化された部分が大きいですね。『今も尚』で最終的にたどりついたのは、“こんな時代だけど、がんばれ”ということ。自分もそうだし、いろんな人に対しても。「がんばれ」って自分に言い聞かせて、がんばろうっていうところで決着がついたんですよね。最後の歌詞は書けてよかったなってすごく思いました。
――この曲を聴いてあらためて、“がんばれ”が持つ本来の意味を知ることができたような気がします。
ミキ 「がんばっている人に“がんばれ”って言うべきじゃない」という人がいるけど、私は、そう思わないです。誰に言われるか、どういう想いでそれを伝えるかっていうのが一番大事だと思う。
ぺい 本当にそう。
ミキ “がんばれ”を掘った時の中身が一番大事なのに、その4文字だけで否定される感じがすごく嫌で。“おはよう”って言葉も、「もう昼なのにおはようって言うなよ」とか、“ありがとう”も「そこはありがとうじゃないよ」って言う人がいるけれど、どっちもすてきな言葉じゃん、中身が大事なのになと思います。
テレビをつけても昔みたいに笑えなかったり、音楽も昔のように夢中になれなかったりして、もういっそ時代に置いていってほしい、こんな日々が過ぎ去ってくれたらいいのにって思っていたけど、でも結局は見逃してくれないってわかったの。だって私たちは、この時代に生きているんだから。生きている限り、この時代は見逃してくれない。だからこそ生きていくしかないし、がんばるしかないんだなって。
ぺい ミキティーの歌詞は、どう言葉にしていいかわからない感情をくみとってくれるんですよね。最初に私が衝撃を受けたのは、一番のサビの最後の「時代の変化はいつだって誰かを置いていくんだ」です。やっぱり時の流れは、人によっては変化がつらいことだったりもする。この1年間でいろいろなことを経験して、コロナのこともあって、すごくその歌詞を実感しましたね。「がんばれ」までにいたるまでの歌詞を知って、がんばろうと思える人ってたくさんいると思うから、こう言うことを歌詞にしてミキティーが伝えることに意味があると思います。
――ぺいにゃむにゃむさん自身は、この歌詞のどんなところに共感しましたか?
ぺい 2番サビの「サヨナラに慣れるなんて 強いとは言えないと思うんだけど 感情も捨てて薄情って言われても そうしなきゃいけない日もあるでしょ?」。この歌詞を読むと、涙が出てしまいます。この1年間で、精神的にも物理的にも、いろんなさよならを経験したんですね。そんな時でもみんなに元気をあげたいって、私はそれが“ぺいにゃむにゃむ”だと思っているので。……でも人によってはそういう姿も薄情ってとらえるんだろうなっていうことを、日々を発信するなかで考えていました。だから、この歌詞を見た時はすごく共感しましたね。
ミキ 私が「おはよう」とかツイートできないぐらい、いろんなことが重なった時期で苦しかったり、表面で見えることのほかにもいろいろあるんだよね。ぺいちゃんにもいろいろな想いがあったと思うけど、ツイートを続けていて。だから、ぺいちゃんに響いているのは、なんかそういうことなのかなって思います。
ぺい 本当にいい歌詞。『今も尚』を自分たちの曲として歌える誇りや自信をすごく感じています。これを歌えること、歌い続けられるっていうことは、本当に幸せなことだなって思わせてくれた曲ですね。
――『今も尚』に出会えて本当によかったって思うおなカマも、たくさんいらっしゃると思います。続いて、『パラレルヤワールド』の曲紹介をお願いします。
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パラレルヤワールド [ぺいにゃむにゃむ ソロバージョン] / 二丁目の魁カミングアウト
ミキ 新メンバーのオーディションを進めながら書いていたので、できたてほやほやの曲です。最初の歌詞「全て変わったように見えるけど 何ひとつ変わっていないのか 何も変わらないのに 全て変わったのか」は、はくちゃんが辞めて、メンバーがぺいちゃんと私の2人になった時に書いた歌詞。「全て変わったように見えるけど」っていうのは、私たちのことで、二丁目の魁カミングアウト自体はこれまでと変わってないけど、でもメンバーが減ることによって、外見は変わるので“全てが変わっちゃったのかな”っていう部分を表しています。
――タイトルやサビは『パラレルヤワールド』、最後の歌詞は『パラレルワールド』とした意味はあるのでしょうか。
ミキ 1番サビと2番サビは、もともと「パラレルワールド」だったんですけど、歌詞が出来上がった時に、私のなかで違うと思ったんですよね。というのも今の私のまま二丁ハロに戻って、もうちょっとしっかりやっていたら、もっとうまくいってたかもしれないってパラレルワールドを考えたけど、結局は一緒だなって。
ぺい “たられば”の世界でしかないと。
ミキ そう。私は「パラレルヤワールド」のところで書いている内容を“パラレルワールド”だとは思わなかったの。過去のことを振り返って、こうしていこうと思うことって未来に生かせることでしょう。だから、それって“パラレルワールド”じゃないなと思ったから、違う言葉にしたくて、パレレル“ヤ”ワールドにしました。「ヤ」をつけたのは、単純に語呂が良かっただけの理由です。逆に、最後を「パラレルワールド」にしたのは、そのあとに続く「全て変わったようで 何ひとつも変わってないのか わからない 今はもうそんなことはどうでもいい」ということを伝えたかったからです。
ぺい もやが晴れた感じのある歌詞になってるよね。
ミキ そう。最初は入っていなかったんですけど、二丁魁自身が変わったのか変わってないのかなんて、そんなことどうでもいいなと思って入れることにしました。もしかしたらメンバーが2人になったことも4人になることにも、賛否両論あると思うけど、人それぞれ意見が違っていいと思う。でも、私たち自身は“これが今の二丁魁です”ってやっていくわけだから、自分自身がどういう気持ちでいるのかが一番大事だと思っていて、もし来年泣いていたとしても、それがいい意味の涙でも悪い涙でも4人の涙で、これからの続きを塗り替えてくんだなという思いを込めて書いた歌詞ですね。
ぺい 私も「今はもうそんなことはどうでもいい」というのが、どうなってもいいとかではなく根本的な意味で、私たちにはわからないこともあるけど“進んでいく”っていうことに意味があると思っています。
ぺいにゃむにゃむ
――前を向いている、今の二丁魁を表していますよね。『パラレルヤワールド』はぺいにゃむにゃむさんのソロバージョンで公開されていますが、歌う時に意識したことを教えてください。
ぺい 歌詞を見た時に、もやが晴れたような力強さや前向きさをすごく感じたので、そこを意識して歌うようにしました。
――ボーカルの面で、他に工夫したことはありましたか?
ミキ 「今の僕があるんだから」のキーは、二丁魁の曲の中で一番高いんですけど、どうしても歌いたかったから、めっちゃ練習したよね。
ぺい 練習した!
ミキ もともとは高くなかったんですけど、ぺいちゃんがそのキーで出るんだったら、それで歌いたかった。2人でめちゃくちゃ練習して出るようになって、「よし!じゃあ、これでいこう」ってなったことをめっちゃ覚えてる。
ぺい 今までだったら、「いや、高いからなあ」っていう消極的な気持ちになっていたんだけど、「絶対出してやる!」と思いました。実はツイッターで、「メラメラしてる」とかツイートしたことがあったんですけど、それはこの曲を受け取った時だったんです。あと、これからミキティーと私と新メンバーで、前向きにいろんなことに挑戦していこうとも思っていた時期だったので、歌詞と心境がマッチしましたね。
今までの曲もそうだけど、自信や誇りを持ってミキティーが作った曲を歌えることがうれしいし、自分自身たちの曲に対して、こんなにも好きっていう気持ちが持てるってすごく幸せなことだなと感じています。だからこそ、歌い続けなきゃなって、曲が増えるたびに毎回思います。私にとって、「パラレルヤワールド」は、前向きな挑戦の曲です。
ミキ 逆に『今も尚』は、私の生誕祭にソロで歌う予定だったのでめちゃくちゃキーが低いんですよ。生誕祭以降、二丁魁として歌う時に『今も尚』のキーを上げようと思っていたんだけど、ありのままのほうがいいなと思ったのと、このキーのまま4人で表現することを考えた時にすごくいいなと感じたんですよね。だから『パラレルヤワールド』のキーは下げなかったし、『今も尚』も上げなかったっていうのはあります。だからキーだけで考えると、私とぺいちゃんのキーになってるから、高いのと低いので間がなくて4人だとすごく大変ですね。
――8月下旬に『@JAM ONLINE FESTIVAL 2020』(以下、@JAM)、10月には『TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020』(以下、TIF)に出演されました。2人で大型フェスへ出演することは初めてでしたが、いかがでしたか。
ミキ @JAM はアクシデントがあったライブでしたね。コロナの影響でスタジオ練習をやめてから、まったく体を動かしてなかったので、@JAMへ向けて練習を開始した時にまずブランクを感じました。それに、2人になったことで、4人だった時の倍、踊ったり歌わないといけないから、めちゃくちゃきつかったんですよね。1曲を踊るだけで、もうハアハア言っていた感じで……。今までライブで十何曲も連続でできていたのに、1曲でヘトヘトになったりして、ここまで体力ってなくなるものなのかって思いました。
だから、まずは@JAMに向けて体力をつけたつもりだっただけど、ステージに立って本番が始まった瞬間、目の前におなカマがいるような感覚になって、練習でやっていたものとは全然違う感情の入り方をしたんですよね。いつも以上に手の振りが激しくなったり、いつも以上に声を出して歌ったりして、練習同様にはいかなかったし、私たちも泣いたりしてしまったので、本当にボロボロのライブでした。でも、逆に、それがすごくリアルで、おなカマは安心したっていうか、よかったって思ってくれたのかもしれないです。
――お二人にとっては、想定外のことだったんですね。
ミキ そうですね。でも、やっぱりいろんな感情が伴ったとしても私たちはしっかり歌を届けようっていう部分を曲げたくないから、ちゃんと練習しようとあらためて思いました。100あるものを、120、140っていう枠にして、何かあっても大丈夫なように、もっと練習しようって。
ぺい @JAMは、感情が前面に出ていたライブでした。いい意味でとらえていてくれたらうれしいけど、悪いところもすごく出ていたなと思っています。気合と感情が全部出た結果って感じですね。
――いろいろと感じることはあったと思いますが、画面からお二人の気持ちが伝わってきて、素敵なライブでした。そして、TIFのパフォーマンスは素晴らしかったです。@JAMを経て、すごく練習されたんだなと。
一同 よかった。
ミキ TIFも泣いてたよね。2つ目のステージから(笑)。
ぺい 『病める時も 健やかなる時も』あたりで泣いてましたね(笑)。
ミキ 最後のステージで披露した『He is me, too』は、ちゃんと振付も練習していたのに、泣いちゃって踊らずに抱きあって終わって。あの時、どうしようってなったよね(笑)。
ぺい うんうん(笑)。
ミキ でも、そこで流した涙って、あの時期に新メンバーが決まりつつもあったから、ワクワクの涙でもあったの。「ここまでやってきたね。頑張ったね」っていう。
ぺい そうだね。あの涙だけを見ると、「二丁魁も大変だったね」って思われちゃうからね。
ミキ そう。そっちだけじゃなくて、うれしい涙でもあったんだよね。
――2人体制から新メンバーが加入し4人体制となりましたが、この数カ月を経て、あらためて気付いたことはありましたか?
ミキ この一年間は、初めての大きな挫折で苦しい時期だったけれど、おかげで強くなれたと思っています。背伸びをしないというか、“本当の自分”として二丁目の魁カミングアウトをやることがすごく大事だなと感じました。
それに私たちは弱い部分もあるからこそ二丁目の魁カミングアウトなんだなと思ったんですよね。「もっと強く生まれたかったな」と考えたりもしたけど、すごく弱いからこそ、ぺいちゃんと出会って支えあえているんだなと。そして、さらに今の自分がちょっと好きになれた期間にもなりました。
なんていうか、すごく二丁目の魁カミングアウトらしい期間だったんですよね。二丁魁らしく乗り越えたなって思っています。
ぺい この期間を経験して、私はやっぱりずっと二丁目の魁カミングアウトでいるんだろうなって、揺るがない想いがさらに強くなりました。挫折を経験したからこそ、こうして二丁目の魁カミングアウトを続けてこれたし、これからもずっとミキティーとメンバーで支えあっていくし、“私は二丁目の魁カミングアウトのぺいにゃむにゃむなんだ”っていう想いが濃くなりました。アイドルを応援していると、応援する側もアイドル側も、“ずっと”って言葉は怖くてなかなか使えないって言う人もいるけど、二丁目の魁カミングアウトが、その“ずっと”を実現することが今の新しい夢で目標だなと思いました。
ミキ そうね。
ぺい この期間があったことで、いい意味で落ち着いたというか。忙しくて、いろんなことが見えなくなっていた時もあったんですけど、今は地に足が着いて、二丁目の魁カミングアウトをずっとやっていくっていう想いです。
ミキ 昔は歌って踊って、歌を届けるっていうことだけで頭がいっぱいになって、それをずっとやっていかなきゃいけないという気持ちでいました。でも例えば、30年後に二丁目の魁カミングアウトとして農業をしていてもいいわけじゃないですか。それもひとつの二丁目の魁カミングアウト。もちろん歌とダンスは一番大事で、それを届ける職業ではあるんだけど、それよりも一緒にいるっていうことはすごく大事だなと思う。私とぺいちゃんは、そうやって二丁魁っていうものを守り続けたいなと思っています。この先だって、どういう変化があるかわからないし。
そういう意味を込めて、今回のオーディションでは、「一生、二丁魁としてやっていける?」と聞いたことはないんです。はくちゃんのこともあって、やっぱり人って変化がある生き物だと思ったから。「この先のすべてを二丁魁だけにささげてね」って言うのって酷な話だと思ったんです。だから私は、そういう意味で「ずっとこの形でいきます」って宣言はできないけど、でも希望として、「ずっと二丁目の魁カミングアウトとして、このメンバーでやっていきます」って言い続けると思う。そういうふうに言いたいメンバーと出会えたから。でも、また何か変化があっても、私は二丁魁としてみんなの心のよりどころというか、居場所はずっと守っていきたいです。
ぺい そうですね。……あとはシンプルに絆が深まりましたね。
ミキ そうだね。
ぺい ミキティーと私の絆はもちろんそうですけど、スタッフもそうだし、今も応援してくれているおなカマとも。この期間を一緒に経験して、すごく絆が深まったなと思います。
――最後に伝えたいこと、そして読者へのメッセージをお願いします。
ミキ 二丁目の魁カミングアウトは、これからいろんな変化があって、体制が変わって新しくなるんだけど、それに対して人にはそれぞれいろんな気持ちがあると思うから、どれが正しいとか、間違っているってことは、私はないと思っています。もし嫌だっていう人がいたら、その気持ちも正しいと思うし、2人でやってほしいっていう気持ちもあるかもしれない。それも正しいと思うし、本当にどんな気持ちになっても、その人が持っている感情って、間違いではないと思ってるの。
それでも二丁魁は、私たちが選んだ新しいメンバーと4人で歩き出すんだけど、 “じゃあ新メンバー入ってやり直します、よーいどん”っていう中途半端な気持ちじゃないです。この期間は、一日一日が1年なんじゃないかっていうぐらい、めちゃくちゃいろいろ考えて、どうやったら二丁魁がもっとよくなるか、もっといい歌を届けられるかっていうことをすごく考えて、そのうえで決めてきました。だからパッと見て変化を感じた時に、いろんなことを考えちゃうかもしれないけど、少しずつでもいいから中身までしっかり見てほしいなと思っています。新体制が発表になって、アーティスト写真を見て、その人のコメントを読んだだけで全部はわからないと思うので、もっともっと二丁魁が愛してもらえるように私たちは頑張ります。だからその頑張りを見守っていてほしいし、応援してほしいです。
ぺい そうですね。それに、すべてはつながってるんだと思っています。
ミキ うん。ずっとあるからね。ずっと残るし。
ぺい 二丁ハロ時代からこれまでのメンバーのこともそうだし、いろんな経験があって、ミキティーは歌詞を書いているし、だから今までの曲がある。そして、いろんな人との出会いがあって、今までの二丁目の魁カミングアウトも、新しくなる二丁目の魁カミングアウトもある。だから全部つながってるんです。
――貴重なお話をありがとうございました。これからのご活躍にわくわくしています。
ぺい 私たちもワクワクしてます。
ミキ そうだね。ワクワクだよね、めちゃくちゃ。
【二丁目の魁カミングアウト】新体制初お披露目オンラインワンマンライブ
「This is not the Parallel World」 アーカイブ公開中!
VIDEO
■二丁目の魁カミングアウト INFORMATION
■LIVE
新体制初の有観客ワンマンライブ
『REAL GAY LIVE in EX THEATER ROPPONGI』
2020年12月14日(月) 18:30開場 / 19:30開演
配信ライブ
『ONLINE GAY LIVE in AiSOTOPE LOUNGE』
11月18日(水)・26日(木) 21:00~21:45
■TALK SHOW
配信トークショー
『はじめまして!二丁目の魁カミングアウトです!』
11月15日(日) 20:00~22:30
■OFFICIAL SITE
https://www.gayidol.jp/
■OFFICIAL TWITTER
@sakigake_gay