ロングインタビュー連載『的場華鈴の虹コン大布教大会』|最終回[Special Interview]
- WRITTEN BY 宇佐美友章・VDC編集部
結成5周年を迎えた“正統派”アイドルグループ『虹のコンキスタドール』。神奈川県民ホールでの初のバンド編成ライブ『RAINBOW JAM 2019』を大成功させ、12月29日(日)のZepp Tokyoから始まる東名阪ツアー『RAINBOW JAM2019 -WINTER-』へ向けて、今ノリに乗っている“虹コン”。一期生でリーダーの的場華鈴に4回に渡り、虹コンについてたっぷり聞いていく、その名も『的場華鈴の虹コン大布教大会』!最終回となる第4回は、11月24日に開催した定期公演『ZeppTokyoへの道~上級編~』のことはもちろん、振付師としての活動についてや個々のメンバーのこと、さらに今年一年で経験した的場華鈴自身の心境の変化について聞いた。
虹のコンキスタドール
自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系・正統派アイドルグループ。通称“虹コン”。自称アイドル界イチ夏曲の多さを誇るも、実は直射日光が苦手な室内派……でも本当はやればできる子。虹コンなりのアツいライブでみんなの心を征服ちゅう!
虹のコンキスタドール・的場華鈴ロングインタビュー連載|第1回
ロングインタビュー連載『的場華鈴の虹コン大布教大会』|第2回
ロングインタビュー連載『的場華鈴の虹コン大布教大会』|第3回
――最近は、振付師としてもご活躍されていますね。
的場 先日でんぱさん(でんぱ組.inc)が開催した『幕張ジャンボリーコンサート』のバックダンサーの総括を担当したんですけど、振付を付けるだけじゃなくて、でんぱさんを主体として、どういうふうに見せるかっていう全体の見栄えを考えてつくるっていうことは、私にとって初めての経験でした。バックダンサーをやる子たちはみんなアイドルなので、バックに徹するだけじゃ駄目だなって思ったんです。でんぱさんのファンの方はもちろんだけど、その子たちのファンの方もいるわけじゃないですか。だから、そこのバランスはすごく考えて、めちゃくちゃ悩みながらやりました。きっと、バックダンサーをするアイドルのファンの方たちは、「バックで出るのか……」って、思っちゃったところもあったと思うんですよね。そういう想いを、見せ方によって変えられるんじゃないかと思いつつ、でも主役はでんぱさんなので、そのバランスが難しかったです。最後まで、きれいなバランスでつくれたのかがわからなかったんですけど、全体的な見栄えとしては、すごくいいものができたと思うので、いい経験になりました。
――ライブを観た人にぜひ、感想を聞いてみたいですね。
的場 本当に聞きたいですね。「最後『いのちのよろこび』で大団円にしたい」っていうイメージを聞いて作ったんですけど、それを観たファンの方から「規模の大きさに泣いた」って感想をいただきました。駆けつけてくれた的場のオタクにも「あれを総括していたと思うと泣いた」って感想をもらったり。スタッフさんにも「すごくよかった」って言ってもらえたんです。でも実は、前日緊張して眠れなくて。すごく早起きだったので、眠らずに行きました。あと、ステージリハーサルを進行するっていうことも初めてだったので、びっくりしました。大きな会場なので、喋ると、声がめっちゃ反響して、噛むっていう(笑)。そういう経験も初めてでした。
――リハーサルは、どのように進行したんですか?
的場 バックダンサーの子たちの時間がなくて当日までに全員で集まれなかったので、場位置を決めるのも当日になっちゃったんですよ。舞台監督さんからは、「やりながら場位置をきれいに整える作業を15分でやってください。的場さんならできると思う」って圧をかけられ(笑)。でんぱさんの振付のYumiko先生に相談してアドバイスをもらいつつ、なんとかやりきりました。それに今回、ピンキー!(藤咲彩音)さんもすごく協力してくださったんです。「振付の部分、こうしたらいいと思う」とか「フォーメーション、ここちょっとぶつかっちゃうかもしれないから、もうちょっと広げたほうがいいかもね」とアドバイスをくれたり、私が気づけていない部分を補ってくださいました。なので、私がすごかったというわけではなく、まわりの方がめちゃくちゃ教えてくださったので、勉強をしに行ったみたいな気持ちです。今回、私がでんぱさんと同じ事務所のアイドルだったっていうところも大きかったなと思っていて、もしアイドルじゃなくて、“ただの先生”として行っていたら、こんなふうに支えてもらうことはできなかったんじゃないかな。
――すごくいい経験になったんですね。そして、的場さんは、Chu☆Oh!Dollyの振付も担当されていますよね。
的場 そうですね。ラストシングルの振付を、2曲とも担当させてもらったんですけど、そのうちの1曲の『Girls, Re Ambitious』っていう曲は、ラスト感がありつつ、前を向くような曲で……。なので振付がめっちゃ重要だなと思い、ちゅーどりさん(Chu☆Oh!Dolly)のこれまでの曲の振付を取り入れてみて、ファンの方が見たらわかるような振付になっています。
――それは嬉しい演出ですね!作ってみてどうでしたか?
的場 考えている間、ちゅーどりさんの印象的な振付をさかのぼってみたら、意外と自分が振付けた曲が多いんだなってわかってすごくうれしかったですね。振付をみたファンの方には、込めた想いが伝わって、じーんときていたようなので、やっててよかったと思いました。今回のチュードリさんに関しては、あらためて振付の持つ意味が大きいんだなっていうことを感じましたね。
――アイドルとして表に立ちながら、他のグループの振付を担当するということは、メンバーの気持ちも、お客さんの気持ちも考えられますよね。
的場 たしかにそうかもしれないですね。「もし自分がこのグループのメンバーで、この曲をもらった時にどういう振付がうれしいか」みたいなことを考えて、そこで浮かんだものをを具現化しています。ののた(奥村野乃花)がプロデュースしている『リルネード』のデビュー曲『ラビンNv』では、メンバーの個性を引き出すというところと、コンセプトに合った振付を考えるというところですごく悩みました。虹コンの振付もしてくださっているYumiko先生にもたくさん相談したんですけど、「プロデューサーである、ののたから聞いた話をくみ取って、振付のパーツを決めていくことが大切」っていうことを教えてもらったんです。
――それは、どういうことなんでしょう?
的場 Yumiko先生は、虹コンに「このパートでは、つま先そろえて膝くっつけて脚を閉じて」って、よく言うんですけど、その必要性があんまりわかってなかったんです。「一瞬、閉じただけで何が変わるんだ?」って思ってたんですけど、振付をしていく中で、脚を閉じることの大切さをめちゃくちゃ知りました。
――脚を閉じるだけで印象が変わると?
的場 めっちゃ変わるんですよね。最近は、Yumiko先生の話を、振付をする身として、そしてアイドルとして聞いている中で、その二つで合致する部分がすごくあります。そういう部分では、振付をしていることが自分のアイドルの活動にも役に立ってるんだなってすごく感じています。
――今、振付師としてどのぐらいの成熟度ですか?
的場 まだまだ(笑)。でんぱさんの幕張コンサートのリハーサルで振付をじっくり見る機会があったんですけど、「なんでこういう発想が浮かぶんだろう」っていう振付がすっごくいっぱいあったんです。Yumiko先生は、たくさん映画を観るとか、たくさん本を読むとか、いろんなところから吸収して、振付のアイデアが湧いてくると言っていて、引き出しの多さが違い過ぎると思いましたね。例えば、同じ時期に同じような曲調の振付を同時に頼まれた時、私は同じような振付が浮かんでしまうんですよね。まだまだだなって思いますね。
――では、引き出しを増やしていくことに専念したいですね。
的場 そうですね。幕張のでんぱさんを見た時に「この歌詞でこういう動きなんだ!」みたいな発見がたくさんできたので、新しい振付にまたいかせたらいいなと思っています。
――的場さんが振付を考えるときは、どんな工程で行うんですか?
的場 曲を聴いて、その場でぱっと思い浮かんだ振付を棒人間とかで描いて、それをためていって、数日寝かせます。で、振り入れが近くなってきた時にまた曲を聴き直して考えます。
――一回、寝かせるんですね!
的場 寝かせないと、その場しのぎのものができてしまうんです。寝かせている期間の間に、たまに頭の中で曲が流れて、「この動きいいかも?」っていうのが出てきたりするんですよね。それを積み重ねて組み合わせて、大きな鏡がないので(笑)、夜に家のカーテンを開けて窓ガラスに自分の動きを写して「ここちょっと無理があるな」とか確認します。最後に、全体をとおした上で、「もっとキャッチーな動きがないかな?」とか、「記憶に残る構成にしよう」みたいなことを考えて当日の振り入れに挑みます。
――そこまで練った上で振り入れに挑むんですね。
的場 場合によりけりで、振り入れの時間をたくさんもらっている時は、あえてきっちり決めていかないようにもしていますね。その場でメンバーさんの動きの癖を見て、変えたりもします。本当に時間がない時は家で全部決めて、当日決め打ちでばばっとやっちゃうこともあるんですけど、基本的にはアイドルさんと一緒にその場で作ったほうがいいものができると思います。
――それが理想ですよね。では、模範として踊った動画を渡す、みたいなことはやっていないんですか?
的場 数回やりました。リルネードのデビューの時は、時間がなさ過ぎたので、それをやりました(笑)。でも、自分が踊ってしまうと、自分の癖がアイドルさんにうつっちゃうんですよね。だからなるべく振り入れの時は、私が踊らないようにしています。
――「あれ、的場華鈴の踊りじゃない?」みたいな発見をする人もいるかもしれないですよね。
的場 そうなんですよ!どうしても的場節が出てしまう。「虹コンの的場さんが振付してくれました」って、すごく大々的に前に出してくださるグループさんが多いんですけど、数多くのグループさんの振付をやらせてもらっている中で、そのグループさんの個性を殺すようなことはしちゃいけないと思ったので、このスタイルになりました。でも、的場のオタクとかは、的場節を理解しているみたいで、リルネードのデビューの振付をした時に、「これ絶対、的場の振付だろ」みたいなことを言ったりしてたらしいんです(笑)。何も言わずにお披露目したのに!
――さすが的場のオタクですね(笑)。では、定期公演『ZeppTokyoへの道~上級編~』の内容を振り返りましょう。
的場 上級編ということだったんですけど、のちのちの特典会で聞いた話では、「本当に知らない曲ばっかりだった」、「YouTubeでしか見たことなかった」、「この曲こんな振付だったんだ」っていう反応の人がたくさんいたみたいで、新しく来てくれている人が多いんだなっていうことをあらためて実感しました。
――そして、9月の定期公演から続く『虹コンわくわく大好きクイズ』の勝負の行方、私は元気元気ハッピーが勝ったと思いましたが……。
的場 私も正直、勝ったと思っていたんですよね!解せぬ。トップバッターとして、だいぶいいパフォーマンスができたなと思ったんですけど、バラエティ性を求められていたらしく……ジーニアスシックスにアーオちゃん(大和明桜)がいたのが強かったですね。ファンの方がBメロとかで「おい」って言う時に、間に「うー」って入れる人いるじゃないですか。アーオちゃんが「うー」のほうをやってたんですよね(笑)。あれはちょっと爆笑でしたね。
――確かにバラエティ性という意味では、ジーニアスシックスは強かったですね。
的場 はい。それを見た時に、「これは負けた」と思ったんですよね。虹コンの大人って面白いのが好きな人ばっかりなのに、私は普段どおりの煽りをしちゃったんです。結果を発表する時に、優勝チームの名前をすぐ言わず、溜めて言われたのも染みましたね。正直、悔しくて解せぬ!って思っていました。その後、ライブパートを再開したんですけど、どんな気持ちでやればいいのかわからなかったです(笑)。意外と自分の中で悔しい想いが大きくて、引きずりました。世知辛い世界だなとも思いましたね(笑)。でも、ジーニアスシックスの子たちは、面白いへんてこな曲が欲しいと言っていたので楽しみです。
――選ばれた経緯から考えると、へんてこな曲であるべきですよね。
的場 そうですね。アーオちゃんに煽ってもらいましょう。煽りを歌詞にしましょう。私たちも果たして本当にバックダンサーをするのか否か、ちょっとわからないんですけど、できればコーラスだけでも参加させてもらいたいですね。
――最後には新曲『ぼくらのターン』の披露もありましたね。最初からレベルの高いパフォーマンスでびっくりしました。
的場 めっちゃうれしい!ありがとうございます。ずっとやりたかったアニメエンディングだったので、今回の振付は、アニメのオープニングテーマとか、エンディングテーマで流れる映像をイメージしています。普段、アイドルとして踊っている振付とは違うので、普段やらないような動きも多くて難易度が高いんです。虹コンは早い速度での振付が意外とないんですけど、今回はあったりして。私が歌っているパートなので私は踊らないんですけど(笑)。
――では、踊っているメンバーの皆さんは苦戦していましたか?
的場 それこそ、ねもちゃん(根本凪)は前半、「無理無理!」って言ってたけど、結果的にめっちゃ踊れるようになっているのを見て、みんな仕上げてきたなって、うれしくなりましたね。でも、振り返ってみると、3カ月連続、新曲をお披露目する中で一回一回、最高を超えてきてたんですよ。今回は、ラストを飾る新曲だったので、みんなそれぞれなにかしらの圧を感じていたんだと思います。
――Zepp Tokyoに向けて、ますます楽しみですね。
的場 「今の虹コンの勢いを見せます」って言い続けているんですけど多分もう、虹コンの勢いを見たい人は全員チケットを買ってくれているんですよね。となると、これはいつもぶち当たる問題なんですけど……ちょっと気になってる人は、どうしたら見に来てくれるんだろうって考えた時に観覧無料のリリースイベントがでかいのかなって思って。最近、リリイベのクオリティーが上がってきていると感じているので、見に行くハードルが高いなと思った人は、仕事終わりに来れる時間帯とかにやっているリリイベを見に来てもらえればと思います。
――まずはリリイベにきてもらってZeppに引き込みたいですね。
的場 Zeppは今年のツアーで回った神奈川県民ホールよりキャパは狭いにしろ、やることに意味があると思うので一つの踏み台にできたらと思っています。古参とか古参じゃないとかいろいろあるけど、虹コンは今から見ときゃ間違いないんだよ!って言いたいですね。
――間違いないですね。私も本当にいろんな人におすすめしたいです。
的場 ありがとうございます。虹コンはいいぞ!
――では、恒例のメンバー紹介をお願いします。最後は、大和明桜さんと、鶴見萌さんについて。最初に大和さんから。
■大和明桜
的場 アーオちゃん(大和明桜)は、私が“太陽”だという役職をちょいちょい思い出させてくれます(笑)。私、本当にたまにですけどネガティブになることがあって、多分顔に出ちゃうんですよね。そういうときにアーオちゃんがいち早く気付いてくれて声をかけてくれることがあるんです。アーオちゃんは、周りがなんかちょっと変だとすぐ気付く気がしますね。
――察知能力が高いんですね。的場さんに声をかけるということは、他のメンバーの異変に気付いたときも声をかけたりしているんですかね?
的場 そうですね。例えば、最近あったのは、しみこ(清水理子)がリリイベの場当たり中に、しんどい的なことを言った時に、アーオちゃんが「大丈夫、大丈夫!」みたいな感じでそのまま進めたことがあって(笑)。それを見た時に、“しみこ転がされてるぞ!”と思いました(笑)。アーオちゃんは意外と大人なんだなと思っています。
――意外な一面を聞けた気がします(笑)
的場 キャラ的におちゃらけた感じに見えるんですけど、実はどの大人よりも考えていて、自分の持つアイドル像がしっかりある子なので、それを崩さずにやる信念も持っているんです。Twitterを見ていたらわかると思うんですけど、貫き方がすごいんですよね。アーオちゃんのオタクは、そんなアーオちゃんが好きだと思うし、それも本人はわかっていて、大和明桜っていうアイドルを貫いてる。自分にはできないことなので、のちのちアーオちゃんが虹コンの柱的存在になってくれるんじゃないかなって思っています。カッコいい曲で、にやけちゃうとか、曲中にオタクを見て笑っちゃうとか、そういうところはアーオちゃんのよさでもありつつ、直していかなきゃいけないところでもあるんですけど、「大和明桜は大和明桜だからいい」みたいなことを本人がわかっているので、すごく安心感があるなと思いますね。意外と知られていないんですけど、アーオちゃんは虹コンの柱になっていると思います。
■鶴見萌
的場 さっきアーオちゃんが柱になっているって言ったんですけど、萌ちゃんも精神的な柱になっている気がします。うらやましいなと思うんですけど、萌ちゃんはあんまり落ち込まないんですよね。なので、萌ちゃんがどんな気持ちで虹コンをやっているのか、正直あんまりわかっていなかった時期もありました。でも、5周年のライブで萌ちゃんの話を聞いたり、最近は虹コンのよさを伝えるためにメンバーの動画を撮って編集してYouTubeに上げているのを見たりして、萌ちゃんの虹コンへの愛が日に日に強くなっているのを感じて。萌ちゃんはセンター立つこと多いし、歌唱パートも目立つところが多いので、1人で突っ走っている感みたいなものを一時期感じてしまったところがあったんですけど、そうじゃないんだなって最近感じるようになってきました。逆に今、萌ちゃんがセンターに立ってくれているから、ビジュアル面でも存在感っていう面でも強くなるので、虹コンのまとまりが出るんだなと思うんです。私、萌ちゃんは乃木坂46さんとかにいても大丈夫だと思うんですよ。虹コンはちょっとイモが抜けないところがあるので、萌ちゃんは虹コンにいてくれてよかったなってすごく感じますね。虹コンにこだわりを持ってくれているのもすごくありがたいし、虹コンでの自分の立ち位置みたいなものをちゃんとまっとうしてくれてるのもありがたいし。あと最近でいうと、一つのお仕事に対してしっかり仕上げてくる部分にすごくプロ意識を感じたんです。
――どんなことがあったんでしょうか?
的場 こないだ発表した写真集があるんですけど、その撮影までに、すっごく痩せて整えてきれいになって、仕上げて参戦していたんです。撮影の前後にライブで会ってたんですけど、「萌ちゃんどうした!めっちゃきれいになったね!」ってびっくりして。本人は「お菓子食べてるよ」みたいなことを言ったりするんですけど、多分超がんばってると思うんですよ。当たり前と思うかもしれないけど、意外とここまでやれるのは難しくて。そういう面でも、自分のアイドル像をしっかりやっているところが、強いなと思います。
――それぞれのメンバーが、自分の個性やプロ意識をだんだん見せてきているので、お互いよい影響になっていそうですね。
的場 そうですね。気付きを与え合えていると思います。個人仕事があるメンバーとないメンバーがいるけど、ないメンバーが頑張っていないっていうわけじゃなくて、まだ自分の魅力に気付けてないとか、そういうレベルなんですよね。第1回目のインタビューを読んでくれた茉莉奈(隈本)が、それに気付いたって言ってくれて。「自分は今のこの艶やかなイメージを貫いていけばいいんだ」っていうことを、ふと楽屋で言っていたんですよね。そういうことに全員が気づけたら、めっちゃ強いグループになるんじゃないかなって。
――では、虹コンのプロデューサー・もふく(福嶋麻衣子)さんについて、教えてください。
的場 「虹コンの曲が強いのは、もふくさんがサウンドプロデュースをしているのが大きいね」って、メンバーとずっと話しているんです。例えば、他のグループさんに、同じ作家さんが同時期に曲を書いていたとしても、ぶれたりしないで虹コン感がすごくあるんです。その裏話をたまに聞くんですけど、もふくさんの圧が強いらしいんですよね(笑)。「もっとできるだろ!」みたいなことを作詞家のNOBEさんに言っているらしくて、NOBEさんが頭を抱えながら作ることも結構あるみたいで(笑)。それこそ『明日虹』(あなたと見る青空に明日も虹が架かりますように)はそうやってできた曲だと聞きました。
――そんな裏側があった曲だったんですね。
的場 一回できた歌詞をもふくさんが全取っ換えしたらしいんですよ、「やり直し」って言って。作詞家さんとか作曲家さんが虹コンを好きでいてくれて、『明日虹』とか、『心臓にメロディー』が生まれてきたと思うんですけど、もふくさんとの関係がなかったら、できていない曲ももちろんあるので。もふくさんがいることが、虹コンにいい曲があるっていうことにもつながってるのかなと思いつつ。……あと、メンバーに対して注意する時も言い方は強いんですけど、的確なんですよね、すごく。「そんな言い方する?」って思うことがあったりもするんですけど(笑)。
――言い方は基本的にきつめなんですね(笑)。
的場 きついかもしれないですね。よく、しみこ(清水理子)とか泣かされてるんですけど、
それはそうだなって納得できることも結構あります。私は昔、なにか言われることが怖くて、あんまりもふくさんに近づけなかったんです。だけど、最近はすごく的確だなと思えるので話をしています。もふくさんも虹コンに愛がないわけじゃないんですよ。
――わかっていますよ。愛がなかったらやってないから。
的場 普段はあまり気づけないんですけど、スタッフさんから、「もふくさんがすごい虹コンの話をずっとしてる!」みたいな話を聞くと「へへ、もふくさん…(照)」みたいな感じになります(笑)。初期は、あんまり関わることがなかったので、レコーディングの時くらいしか会わなかったんですけど、ここ数年はしっかりちゃんと話すようになりました。
――初期の頃、ソフマップの上の劇場でやっているときは、イベントをもふくさんが仕切っていましたよね。
的場 本当ですか!じゃあ、初期の頃もちょいちょい来てたのかな……。もふくさんはその頃、でんぱさんと強く関わっていて、私もそのやりとりを見ていたんです。振り返ると、今の虹コンと近い接し方だったなって思うので、個人的にはそういうふうにまで見てもらえるようになったことがうれしいな。
――なるほど。すごく厳しい言い方をされたりもするけど、納得できるんですね。
的場 もふくさんに言われると納得ですね。あと最近、もふくさんが考えていることと自分の解釈が一致することが多くなってきているので、ちょっと成長できたのかなって感じます。もふくさんがやってる『ラジナタ!』っていうラジオ番組があるんですけど、メンバーとプロデューサーの会話じゃない会話になってしまうこともあったりして(笑)。そういう話を、もふくさんとできるようになったので、これからもいろんな話を聞いていきたいです。
――もふくさんの言うことには、メンバーもみんな納得してるみたい?
的場 人によりけりですね(笑)。反抗期のメンバーもいて、「その言い方に納得できない!」とか。そこは納得してよって思うんですけど(笑)。でもみんな、心のどこかでは飲み込んでいるんだろうなとは感じます。
――ありがとうございます。では最後に、的場華鈴からみた的場華鈴について教えてください。
的場 “今年は頑張った”と思いたいんですけど、だいぶ甘えていた部分もあったかなと思いますね。これ、言ってないんですけど、実はグループを、辞めようと思ってたんですよ。
――それは、いつぐらいの話なんですか?
的場 今年の4月、5月くらい。それ以外に辞めようと思っていた時期もあったんですけど、本気じゃなかったというか。例えば、ずっと一緒にやってきた同い年の、ののたが卒業したり、他のメンバーの辞めてからの生活を聞く中で、「今、辞めたらどんな生活が待ってるんだろう?」、「どんな世界が見れるんだろう」と、ふと思ったりしてたんです。でもその時は、心のどこかで絶対に辞めないとも思っていた自分がいたので安心してやっていたんですけど……。ふと、もう大丈夫かな?って思ってしまった時があったんです。オタクにももちろん言ってないんですけど。
――なにか、具体的なきっかけがあったのでしょうか?
的場 その時期は自分の中でやることが多くて追い込まれてたっていう部分ももちろんあったんですけど、心が病んでいたとかではないんです。ちょっと言い方が悪いんですけど、もういいかな?と思ってしまったんですよね。今は思わないんですけど、「やり切ったかもしれんな」みたいに思ってしまって。虹コンについて考え過ぎた結果、辞めたいと思ってしまったし、5年間虹コンを優先してきたので、そろそろ自分のことを考えてもいいかなって。親は「自分の人生なんだから好きにしな」と言ってくれていたので、その気持ちを自分の中で温めて、来たばっかりのマネージャーさんに「ちょっと辞めようと思ってるんですけど……」って話をしました。
マネージャー 電車の中で、めちゃくちゃ重い話を聞きました。
的場 人に言って、軽くしようとしていた自分もいましたね(笑)。よく言うじゃないですか、「普通の人に戻りたい」って。その気持ちが募っちゃったというか、同級生のTwitterやInstagramを見つけた時とか、街中で会った時とかに、バイトや恋愛、学校生活っていう、自分が経験していないことをすごくいっぱいしているのを知ったんです。それを目の当たりにした時に、このままこの世界だけ見ることは人生的にどうなのかなと思っちゃって。あとはその時期、虹コンのことを考え過ぎて嫌いになっちゃったんですよね。5周年記念ライブで「今、虹コンと自分の人生の関係性で悩んでいて、好き過ぎて嫌いになった」っていう話をしたのはまさにそういうことです。あんなことを言っていたのにもかかわらず、ちょうど辞めたいと思っていて。それにめちゃくちゃ罪悪感を持っていたら、いつも虹コンを見てくださっているレコード会社の方に様子がおかしいことを気づかれて……「どうしたの?」って聞かれたので、全部話したんですよね。そこで、辞めるのを止められて。今思えば、ありがたい話なんですけど。
――「じゃあ、もういいよ」とは言われなかったんですね。
的場 「そんな気持ちだったんだ」って突き放されるかと思ったんですけど、「もっとよく考えて」って止められました。虹コンが勢いに乗ってきた時だったので、人に言えるわけでもなく……。それこそ、もふくさんにも言ってなかったので、これが初解禁です。そのあと、レコード会社の人には、「5周年ライブの神奈川県民ホール終えてから考えてみない?その景色を見たら考えが変わると思うよ」と言わました。私的には名残惜しくなっちゃうので今すぐぱっと消えたいなと思っていたんですけど、「今年こそは絶対にZeppを取るから信じて待っていてほしい」とも言われて。で、自分の気持ちの整理がつかないまま、Yokohama Bay Hall、 umeda TRAD 公演をやって、神奈川県民ホールでZeppTokyo公演が発表されて。そのZeppが発表された時に、……泣きそう、……レコード会社の人に言われた時のことがめっちゃ思い浮かんで。
――「信じて待っていてほしい」って言ってましたもんね。
的場 重くなっちゃう……(涙を流す)。そう、それが思い浮かんで、そういう気持ちでやっていたことがめちゃくちゃ申し訳なくなっちゃいました。その時期にオタクから掛けられる言葉も全部つらかったんですよね。「虹コンこれからだね」とか、「今きてるね」とか、「数年後には武道館行こうね」とか。普通だったらうれしいんですけど、その時期の自分にはすごく重くて。辞めようと思っている人間にそんな……って思ってしまって。ごめんなさい……(涙)。
――今はもう辞めたいと思ってないですか?
的場 思っていないです。神奈川県民ホールのライブが終わった日の夜、ブログのために自分の気持ちを文章にまとめたりする中でじわじわと、「やっぱり虹コンが好きなんだな」っていうのも感じました。そんな時、信頼している友達が「華鈴は今、自分の世界がそこしかないって言うけど、その年齢でそういう場所を見つけられているってすごいことなんじゃない?」って言ってくれたりとか、ほかにもいろんな人からの言葉があって、「まだ続けよう」っていう気持ちを固めたのが神奈川県民ホール終わりなんですよね。
――神奈川県民ホールを経て気持ちの整理がついたと。具体的に、的場さんの中でどんな変化があったのしょうか?
的場 “許すことを覚えた”っていうのが大きいです。その時期は、いろいろ考えすぎてメンバーのちょっとした行動も嫌だなって思ってしまったり、許せなかったんですよね。リーダーになってからは、自分の理想の虹コン像を押しつけていた部分があって、考えも堅かったんです。それをYumiko先生に相談した時に「許すことを覚えたほうがいいよ」って言われたので、それを意識して生活するようにしました。今回のインタビュー連載で紹介していたような、メンバーのいいところに気付くことができたのも本当に最近。よく見てみたら、こんなにいいメンバーいるんじゃん!と思えたのが大きいです。もう一つは、虹コンの夢が、本格的に自分の夢になったことです。
――というと?
的場 今回話した状況を知っている人からは、「前向きな発言をしているけど、一度は辞めようと思ったんでしょ」みたいに思われちゃうかなって思ってたんですけど、誰もそうは思っていないみたいで。それは、今まで自分が取ってきた行動が大きいということがわかったんです。ということは、今までの自分の気持ちや行動はうそじゃなかったんだなっていうのに気付くことができたんですよね。あとは、やっぱり一番は虹コンが好きだから、辞めたくないっていう結果になりましたね。この定期公演をやっていく中で「虹コンに尽くしてもいいな」とも思えました。
――的場さんが良い方向を向けたようでよかったです。
的場 びっくりするほど悩んでいたので、ライブであんなに笑えないのも初めてだったんですよね(笑)。でも今は全然違うので、重く受け止めないでほしいです。そんな時期を経て今の的場がいます。
――じゃあZeppで「卒業します」とは言わないでくださいね!
的場 言わないですよ!Zeppには虹コンの第一目標っていうだけじゃなく、個人的な気持ちも持って挑みますっていうのを今、初解禁しました。
――ありがとうございます。そんな想いも詰め込んで迎えるZeppなので、的場推しはもちろん他の人にもリーダーのこの想いをぜひ知ってもらいたいですね。
的場 でも、今、話したことはめっちゃ個人的なことなので……それにはとらわれず、純粋に虹コンを楽しんでほしいなって思います!今のはただただ、私の気持ちがこれを経たことによって強くなったぞっていうエピソードです(笑)。
――わかりました。Zeppはもちろん、来年の飛躍を楽しみに応援してます。全4回のロングインタビュー連載、本当にありがとうございました。
的場 ありがとうございました。
虹のコンキスタドール・的場華鈴ロングインタビュー連載|第1回
ロングインタビュー連載『的場華鈴の虹コン大布教大会』|第2回
ロングインタビュー連載『的場華鈴の虹コン大布教大会』|第3回
虹のコンキスタドール INFORMATION
■RELEASE
全曲タイアップ付きニューシングル3タイトル同時リリース。
2020年1月22日(水)発売!
『響け!ファンファーレ』KIZM-643~4 ¥1,091(税抜)
『ぼくらのターン』KIZM-645~6 ¥1,091(税抜)
『Snowing Love』KIZM-647~8 ¥1,091(税抜)
■LIVE
東名阪ツアー『RAINBOW JAM2019 -WINTER-』
2019年12月29日(日)【会場】Zepp Tokyo(東京)
2020年1月3日(金)【会場】umeda TRAD(大阪)
2020年1月5日(日)【会場】名古屋ダイアモンドホール(愛知)
■OFFICIAL SITE
https://2zicon.tokyo/
■OFFICIAL TWITTER
@2zicon
■的場華鈴TWITTER
@matoba_karin